TRACKMENTO

共感とお金、そして音楽との距離感

TRACKMENTOは、お気に入りの曲のジャケットや動画サムネイルをマス目に並べて、紹介画像を作れるツールです。そのTRACKMENTOで「これはやりたくないな」と思っていることを、書き残しておきます。

好みを数にしたくない

ランキングやチャート、「何人が作った」という表示は付けていません。好きという個人的な気持ちが、並べて比べられる数に変わってしまう気がするからです。

選んだ曲が褒められると、やっぱり気持ちがいい(共感してもらえると嬉しくなってしまう)。でも、その気持ちよさが次に何を聴くかを決める手前に入り込んでくると、聴きたいから聴くのではなく、共感してもらえそうだから聴くほうに少しずつ寄っていってしまいそうです。

ただ、「みんなのグリッド」には、載せてくれた並びから、よく選ばれている曲を数えて並べる画面があります。ここで数えているのは、自分の知らない曲をdigる手がかりにするためです。

見せる前提にしたくない

作っただけでは、人に見せるページにはなりません。「トラックを共有」を押したときだけ、URLを知っている人が見られるページができます(30日で消えます)。「みんなのグリッドに載せる」のチェックも、最初は外れています。

選ぶときから人の目が入ってくると、「どう見えるか」を気にしながら選ぶことになってしまうので、見せるかどうかは作った人が決められる形にしています。

人気を買い物の案内にしたくない

TRACKMENTOにも、サーバー代の「おねがい」の枠があります(「PR」と書いてあります)。自分の音楽へのリンクとPayPalのバナーで、人気の曲とは関係なく、いつも同じものが出ます。

広告そのものが悪いとは思っていません。続けていくために必要なこともあります。ただ、「みんなが選んでいる」をそのまま買い物の案内につなげてしまうと、共感とお金が同じ道の上に並んで、好きという気持ちがお金の入り口として使われてしまう気がします。そうはしたくないです。

人気を主役にしたくない

人気の曲ばかりが目立つと、上のほうがもっと選ばれやすくなります。新しい音楽に出会えるはずが、出会いが多くの人の好みに寄っていってしまいます。

そこで、同じ画面に「ひとりだけが選んだ曲」も並べています。ほかに誰も選んでいないアーティストの曲を先に出して、人気の外にある曲にも出会える入り口にしています。

TRACKMENTOでは、その人だけのマス目が並んでいるほうがうれしいです。

数えないで聴く

自分は、音楽をひとりで聴いて、ひとりで好きになるのが好きです。見せたくなったときに見せられたら、それで十分なんですよね。

共感やお金からは少し離れたところで、好きな曲を好きなまま並べられる場所にしていけたらと思います。

2026年11月8日・Tobokegao・ コラム